2020年2月 金沢で3泊4日のんびり旅(前編)
出かけられないこんな時だから、ちょっと前の旅の思い出でも振り返りたいと思います。
2020年2月、金沢へ旅行に行った記録です。
海外旅行に行く予定が中止になり、それなら魚介じゃ!と勢いで3泊4日の金沢旅に出かけることにしました。金沢は3回目で主要観光地は履修済かつ、どこのお店の方からも「4日間は長いですね」と行く場所の心配をされましたが、じっくり楽しんで良い時間を過ごすことができました。
KUMU金沢でほっと一息
今回の旅の目的の一つが、以前に美術手帖の「一度は泊まってみたい日本のアートホテル」という特集で見かけた「KUMU金沢」というリノベホテルでの宿泊でした。
木組みの天井に圧倒される、おしゃれすぎるフロント兼バーカウンター。心ときめきます。スケジュールに余裕もあるので先にチェックインしてしまう。
お茶の良い香りがすると思ったら、カウンターに本格的な茶器が。
各宿泊フロアにはティーサロンがあり、ここで自由にお茶を飲んだりくつろいだりできます。お茶もまた美味しいのでした。
宿泊したお部屋はこんな感じ。天井が高くてとても居心地が良いお部屋でした。それ故にチェックインしてから1時間ほど気持ちよく昼寝をしてしまった。余裕がある旅行なので良しとします。
夕飯は近江町市場の「廻る近江町市場寿し」へ。金曜日だったので出張帰りに一人で寄られている方も多く、穏やかな雰囲気。そしてのどぐろの美味しいこと。近江町市場には何件か回転寿司のお店がありますが、お店の方の対応も大変気持ちよくてここが一番好きです。
近江町市場からKUMUに戻って、バーでゆっくり飲む。
オーダーした「日本酒レモンサワー」が美味しすぎて驚いた。あまりに好みだったので、翌日もお願いしようとしたら、ちょうどこの日までの限定だったようです。研究対象が一つ増えた。
打ちっぱなしの壁とアートが良い雰囲気。光が木組み越しに優しく届きます。アートの間に座って写真を撮ると、ベンチャーの社長っぽくなる不思議。
本のチョイスも良い。建築に関するものがたくさんあったので読みふけりました。(残念ながら特に建てる予定はない)
長町武家屋敷跡を散策
翌朝。昨日食べ過ぎたお寿司を少しでも消化するべく、せせらぎ通り~長町武家屋敷跡をぶらぶら歩きます。天気もとても良かった。
香林坊から少し入っただけなのに静かな街並みが広がっていて、別世界のようでした。塀に掛けられている藁は、雪から土塀を守るもので「薦(こも)掛け」というそう。
いくつかお店や施設に入ったりした中で、素敵だったのが「長町研修塾」。明治初期の建物を金沢職人大学校の総合実習で近年修復したものだそうです。
お庭を自由に見学できるということだったので入ってみると、灯篭がこんなかわいい姿に。こちらも雪害対策で「薦(こも)巻き」というそうです。ポケモンにこんな子いるよね。
梅がぼちぼち咲き始めていた。春はもうすぐそこ。
石川四校記念館で青春に触れる
香林坊から兼六園方向に歩いていくと、大通りに雰囲気の良いレトロな建物が続きます。その一角が旧制第四高等学校、通称「四校(しこう)」の旧校舎になっています。
中には当時の四校の歴史がパネル展示されていて大変面白かったです。教科書や校長の肖像画や様々な行事の写真、また当時町のどこで過ごしたか記された大きな地図(たまり場がいろいろある)。学生がすごく良く勉強しているのが分かり感銘を受けつつも、当時のノートを寄贈した卒業生が「この先生の問題は今もってしてさっぱり分かりません」と注釈をつけていたりして笑った。
中には学生たちが発行した同人誌なども展示されていて、「あっこれ黒歴史だ」と思いつつも興味深く拝見しました。
昼ご飯は金沢市民のソウルフードだというターバンカレー。ちょうど四校のお向かいに本店があります。
黒っぽいルーなので辛いのかな?と思いきやとても食べやすくて揚げ物に合います。トッピングはロースカツが定番なのだけれど、どうしてもエビフライが食べたかった…タルタルがかかっていてとても美味しかったです。
同行者はロースカツにしていました。ルーがとても美味しかったのでお土産に買えばよかったとちょっと後悔。
やちや酒造で酒蔵見学
口がカレーっぽいまま広坂からバスに乗り、清酒「加賀鶴」で有名な「やちや酒造」さんで酒蔵見学。前日に電話で予約したところ運よく参加できることになりました。
素朴な佇まいの玄関。
文化庁登録有形文化財となっている建物の中はかなり歴史的な雰囲気。前田家由来の立派なひな人形が飾られていました。見学は一人500円で、チケットは見学の後500円の買物券として使えます。写真はOKで動画は不可とのこと。
お酒造りのいろいろな工程を案内していただきました。元からある土蔵などを上手く利用して昔ながらの丁寧な作り方という印象。工場見学が好きなのでとても楽しかった。
見学の後はお待ちかねの試飲タイム。前の男性二人グループが一口飲む度に的確な食レポをしてくれたので、自分もお酒がよく分かっているような気分で飲む。昼間に飲むお酒、最高ですよね。お土産に梅酒を購入。
「骨董きりゅう」で宝探し
夕飯まで時間があったので急遽「骨董きりゅう」さんに行くことに。伊藤まさこさんの本やぶち猫さんのブログを読んで、この旅行中にぜひ行ってみたいと思っていたのです。
ちなみにぶち猫さんのブログはこちら。めちゃめちゃ癒されます。
buchineko-okawari.hatenablog.com
中心部からバスで20分ほどでつきます。店内はもう天国で、30分ぐらいで買い物終了のつもりだったけれど、確実に終わらないとすぐに悟る。
我が屋の食器棚に空き無し、我が家の食器棚に空き無し…と言い聞かせながら店内を歩き回ること1時間、気が付いたら6点購入することになっていました。おかしい。
店主の桐生さんがとても素敵な方で、お話していてとても楽しかったです。おすすめのお店も教えていただき、同行者と「かっこいい人だったね…」と言い合いながら大きな紙袋を持ってバスで帰りました。
「いたる」と「白鷺美術」で幸せな夜時間
夕飯は、過去にも来たことがある「いたる」香林坊店。旅行を決めた瞬間、宿より先に「いたる」を予約したくらい好きなお店です。遅刻気味だったので走って向かう。
いつ見ても味わい深い店構え。
何を食べても確実に美味しいけれど、お刺身の桶(おけ)盛りは必須。写真は二人前の「小おけ」で、これでもインパクトがすごいのですが、近くのグループが頼んでいた六人前の「大おけ」はもう画がお祭りだった。
二軒目に向かったのはきりゅうさんで教えてもらった「白鷺美術」さん。病院だった建物を利用した美しい店内に、静かにフランス映画が流れている。外の喧騒とは別世界でとても居心地が良くて、ついつい長居してしまった。
灯油ストーブが可愛い。お任せでお願いしたカクテルも美味しくて、非日常な空間でとても贅沢な時間でした。ここでもおすすめのお店を教えていただき、帰路へ着きました。
長いので前半はここまで。後半もたくさん食べています。人間のお腹ってすごい。